毎日食べる方も多い味噌汁。味噌汁は健康に良いとされる一方で、「塩分が気になる」と控えている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、味噌汁の塩分濃度や摂取目安、減塩のコツまで、科学的なデータに基づいてわかりやすく解説します。
味噌汁の塩分は1杯どれくらい?
使用する味噌の量や種類によって異なりますが、ひとつの目安として、家庭で作る味噌汁1杯(約180g)に含まれる塩分量は、一般的に1.0〜1.5g程度となります。
例えば、味噌大さじ1杯(約18g)に約2.2gの塩分が含まれている場合は、これを薄めることで塩分量が調整されます。
1日の塩分摂取の目安
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、1日の食塩相当量の目標値は以下のとおりです。
男性:7.5g未満
女性:6.5g未満
※男女の違いは、身長・体重の平均値をもとに算出されたもの
味噌汁を1日1杯(塩分約1.2g)飲むと、全体の15〜18%を占める計算になります。
つまり、味噌汁1〜2杯程度であれば問題なく取り入れられる範囲であり、逆に具材やだしを工夫すれば、栄養豊富な食事の助けにもなるのです。
【食塩の食事摂取基準】
男性の摂取目標量(g) | 女性の摂取目標量(g) | |
---|---|---|
0〜5(月) | 0.3 | 0.3 |
6〜11(月) | 1.5 | 1.5 |
1〜2(歳) | 3.0 | 2.5 |
3〜5(歳) | 3.5 | 3.5 |
6〜7(歳) | 4.5 | 4.5 |
8〜9(歳) | 5.0 | 5.0 |
10〜11(歳) | 6.0 | 6.0 |
12〜14(歳) | 7.0 | 6.5 |
15〜17(歳) | 7.5 | 6.5 |
18〜75以上(歳) | 7.5 | 6.5 |
※上記の目標摂取量は、現在の摂取平均値から算出された、生活習慣病の発症予防のための目標数値です。
塩分をとると血圧が上がる?
塩分の過剰摂取と血圧上昇に関係があることは、さまざまな研究で証明されてきました。ただし、味噌汁の塩分すべてが血圧上昇につながるというわけではありません。反対に、味噌汁をとらないことで、豊富な栄養摂取の機会や健康効果を逃すことにもなります。
なお、世界保健機関(WHO:2003年)が発表した成人向けのガイドラインでは、成人では1日の食塩摂取目標は5g未満と設定されていて、現在、世界全体の目標の目安となっています。
「塩分が心配だから味噌汁をやめる」はもったいない理由
味噌はただの調味料ではなく、さまざまな健康への良い影響が研究で証明されてきていま
・乳酸菌や酵母による腸内環境の改善
・大豆由来のイソフラボン・サポニンによる抗酸化作用
・ビタミンB群やミネラルも豊富
塩分だけに注目して味噌汁を避けるのは、本来の健康メリットを逃してしまうことにもつながります。
インスタント味噌汁の塩分は高め?
手軽で便利なインスタント味噌汁ですが、「塩分が多い」というイメージがあるかもしれません。実際の塩分量は商品によって異なります。
また、フリーズドライ製法で作られたインスタント味噌汁は風味を補うために塩分がやや多めになる傾向があったり、使用している出汁や具材の塩味が濃いものもあったりします。
とはいえ、商品によっては減塩タイプや無添加設計のものもありますので、商品を選ぶ時の参考にしてください。
商品名 | 1食あたりの目安塩分量 |
---|---|
アマノフーズ まごころ一杯 定番味噌汁 | 約1.74g |
マルコメ 料亭の味味噌汁 減塩タイプ | 約1.12g |
美噌元 美噌汁最中(フリーズドライ) | 約1.12g |
※各商品の食塩相当量の平均値を算出
減塩味噌汁を作る5つのコツ
1. 出汁をしっかり取って「うまみ」で満足感UP
出汁のうまみを活用することで、味噌の量を減らしても「物足りなさ」が出にくくなります。特に、かつお節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸を組み合わせることで、うまみを強く感じられます。
2. 味噌の量は控えめに。目安は1杯あたり小さじ1(約6g)
味噌小さじ1(約6g)で塩分は約0.75g。これくらいの量でも十分に風味は残ります。味が物足りない場合は出汁を足すなどうまみをプラスしましょう。味噌の量を増やしてもうまみの感じ方が増えるわけではないので注意してください。
3. 具材を多めにして「噛む量」を増やす
具だくさんの味噌汁にすることで、汁の量を減らし、結果的に塩分摂取量を抑えることができます。野菜やきのこ、豆腐などをたっぷり入れることで、食物繊維やビタミン、ミネラルも同時に摂取できます。
塩分控えめでおすすめの味噌汁
無添加・生味噌タイプの”おやこみそ”
お湯で溶かすだけ1分で完成する生味噌タイプのインスタント味噌汁。麹を通常の3.5倍いれることで当社比で30%減塩でもコクうまな味に。原材料は味噌(米、大豆、食塩)、鰹節、煮干し、椎茸のみで安心して食べることができます。
新田醸造の”こだわりの即席みそ汁”
フリーズドライタイプのインスタント味噌汁。長野県の老舗味噌蔵「新田醸造」がつくる即席味噌汁は、まるで生味噌を使ってつくるような香りと味わいが楽しめます。1食の塩分量は約1.2gと低めなのも安心。
味噌汁の塩分とうまく付き合い、健康的に楽しもう
味噌汁の塩分は、きちんと量を意識すれば決して多くはありません。出汁や具材、味噌の選び方で上手にコントロールすれば、健康的な食卓の味方になります。
毎日の味噌汁が、体に優しい一杯であるために。塩分がちょっと気になるからこそ、正しく知っておいしく味噌汁をとりいれましょう。