手作り味噌は難しそう…そう思っている方へ朗報です。味噌の作り方は、「大豆を煮てつぶし、麹・塩と混ぜて容器に詰める」これだけ。実は驚くほどシンプルなのです。
この記事では、初めて味噌作りをする方でもよくわかるように、仕込む前に決めること、材料の分量、仕込み当日の手順、発酵中の手入れまでを順番にまとめました。
自分で作る味噌は格別な味。ぜひ、家で味噌を作ってみませんか。
手作り味噌を作る時にまず決めること
手作り味噌を仕込みたいと思った時、最初に確認したいのは以下の2点です。
- 味噌を仕込む時期は適切?
- 材料を自分でそろえる?市販のキットを使う?
味噌の最適な仕込み時期は?
家で作る一般的な味噌は、実は年中いつでも仕込めます。
その中でも最適な時期とされているのは、「寒仕込み」と呼ばれる1月から3月の間です。気温が低いと雑菌の繁殖が抑えられ、その後の春から夏にかけて気温が上がるにつれて発酵が進むため、味が安定しやすくなります。
寒仕込み以外の時期、たとえば夏場でも味噌は仕込めます。その場合は、雑菌が入らないようにより注意したり、食べ頃までの時期を調整したりします。
なお、大豆と塩だけで仕込む豆味噌は、美味しい味噌を作るためにより厳密な発酵管理が必要になるので、寒い時期のみに仕込みます。
材料を自分でそろえるか、市販のキットを使うか
次に決めるのは、材料(大豆・麹・塩)を自分でそろえるか、材料一式がそろった市販キットを使うかです。
キットの最大のメリットは、材料を個別に買い集めて分量を計算する手間がなく、届いたらそのまま仕込みに取りかかれる点です。
材料を自分でそろえる方法には、麹の種類・大豆の状態・麹歩合まで自分で選べる自由度があります。仕込み量を細かく調整したい方、好みの味に寄せたい方に向いています。
「キットは割高では…」と思う方もいるかもしれません。ただ、実際に計算すると差は数百円程度にとどまることがほとんどです。初めての方には、分量計算済みで失敗しにくいキットをおすすめします。
市販の味噌作りキットの選び方
味噌作りキットは多くの蔵元から販売されています。キットを選ぶ時は、以下を基準に確認しましょう。
- どの種類の味噌を作りたいか(米味噌、麦味噌など)
- どこまで手軽さを重視するか(大豆を自分で茹でるもの、茹でてあるもの、つぶしてあるものがあります)
- 出来上がりの分量はどれくらいか
- 保存容器はついているか
麹の種類に特別なこだわりがない場合は、クセが少なくオーソドックスな米麹の味噌が定番です。麦麹はすっきりした甘さで、甘めの味噌が好きな方におすすめです。
なお、米麹と麦麹など、麹の種類ごとに味噌の仕込み方が変わるわけではありません(豆味噌は仕込み方が異なる場合があるのでご注意ください)。
出来上がり量は商品によって差が大きく、実際に比較すると約1kgのミニサイズから約10kgの大容量まで幅があります。冷蔵庫の保管スペースが気になる方は1kg前後から、毎日の味噌汁用の味噌を作りたい方は4kg以上を目安にするとよいでしょう。
容器の付属も確認しましょう。仕込み用の保存容器が付属していない場合は、仕込む当日にタッパーなどの入れ物を用意する必要があります。
実際に販売されているキットについて、以下の記事もご覧ください。
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自分で材料を揃える場合の分量(大豆・麹・塩の割合)
味噌の基本の材料は、大豆・麹・塩の3つです。それぞれの材料の分量は、好みの甘さや塩気によって異なります。
大豆に対する麹の割合のことを麹歩合(こうじぶあい)と呼びますが、もっとも標準的な組み合わせは麹歩合10割・塩分12%です。
味噌作りを失敗しないコツのひとつは、正しい分量で作ることです。目分量でそれぞれの分量を測るのは失敗のもと。カビをつけずに長期保存をするためにも、ある程度の塩分量が必要です。
麹や塩、大豆の分量の計算は少し複雑なので、以下のツールで確認しましょう。出来上がり量や手元の大豆・麹の重さを入力すれば、材料の分量が自動で算出されます。
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塩分控えめにしたいときはどうする?
塩分は低いほど食べやすいと思われがちです。しかし実際は、下げるほど塩の防腐効果が弱まり、カビなど望ましくない微生物が繁殖しやすくなります。特に初めて仕込む場合は、塩分の下げすぎに注意してください。
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手作り味噌の作り方
材料が手元に届いたら、いよいよ手を動かす作業に入ります。ここから先は、前日の下ごしらえから仕込み当日までの流れです。
手順1. 下ごしらえ:大豆を浸水させて煮る
乾燥大豆を使う場合は、仕込みの前の晩に水に浸して大豆を戻します。翌日、やわらかくなるまで煮ます。煮ると大豆は水分を吸って膨らみ、乾燥時の約2.4倍の重さになります(大粒の大豆を煮た場合の目安。中粒・小粒の大豆や、煮るのではなく蒸す場合は倍率が変わります)。
乾燥麹を使う場合は、大豆を煮たときに出る煮汁も捨てずにとっておきます。乾燥麹は生麹に比べて水分が少ないため、この煮汁を仕込みに使います(目安は麹の重さの0.2倍)。生麹を使う場合、煮汁は不要です。
すでに水煮された大豆(レトルトタイプ)を使う場合は、浸水と加熱の工程を省けます。分量は、水煮大豆の重さ÷2.4を乾燥大豆の量として計算してください。
手順2. 大豆をつぶす
煮あがった大豆の粗熱を取ってから、大豆をつぶします。粒が残っていると麹・塩と均一に混ざりにくくなるため、なめらかになるまでつぶすのが基本です。
手順3. 塩きり麹を作る
大豆をつぶす前後で、麹と塩を先に混ぜ合わせておきます。塩と麹を混ぜたものを「塩きり麹」と呼びます。
麹には乾燥麹と生麹があります。冷蔵保存されている生麹を使う場合は、麹が板状に固まっているので、麹の粒を一粒一粒剥がすように手で細かくほぐし、塩と混ぜ合わせます。一粒ごとに塩が絡むイメージで、全体に行き渡るまで混ぜます。
塩のムラは、その部分だけ発酵の進み方が変わったりカビが出やすくなったりする原因になるため、ここで丁寧に混ぜておくのが失敗を防ぐ近道です。
手順4. つぶした大豆と塩きり麹を混ぜる
つぶした大豆に、塩きり麹(乾燥麹の場合は煮汁も)を加えて、全体が均一になるまでよく混ぜ合わせます。混ぜ終えたら、空気が入らないように容器に詰めていきます。詰めるたびに手のひらで押さえて隙間をなくすと、仕込み後にカビが発生しにくくなります。
手順5. 表面をならして密封する
容器に詰め終えたら、表面をできるだけ平らにならし、ラップを密着させます。空気に触れる面積が広いほどカビが発生しやすくなるため、この工程は仕込みの中でも特に重要です。
上から重し(落とし蓋など)をのせることもありますが、家庭で作る4kg程度であれば、特別に重石がなくても美味しい味噌ができあがります。
手順6. 適した場所に味噌を保存する
保存場所は、直射日光の当たらない冷暗所を選びます。気温が上がる時期は、冷蔵庫での保存も検討してください。
ここまでで仕込みの作業は完了です。あとは発酵・熟成を待ちます。目安は半年〜1年ほどです。仕込み日と食べ頃の目安は、手前味噌計算ツールのラベル機能で記録しておくと振り返りやすくなります。
発酵中の手入れ方法
発酵中は毎日何かしら手をかける必要はありません。途中で気を付けるポイントとして、以下の2点を確認しておきましょう。
味噌の表面に白いカビが生えた?
味噌を仕込んで常温で発酵する過程で、表面に白っぽいカビのようなものが出ることがあります。
ここで「カビ!失敗したのでは…」と不安になりがちですが、白くて平面的な薄い膜であれば、産膜酵母という酵母の一種であることが多く、必ずしも失敗ではありません。
見分け方の目安は、立体的でモコモコしているか、平面的で膜のように広がっているかです。色が黒・緑・青などではっきり付いている場合は、カビの可能性が高くなります。
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天地返しは必要?
天地返しとは、発酵の途中で味噌を上下に混ぜ返して、空気を入れ替え、発酵のムラをならす作業のことです。
「天地返しをしないと失敗する」と思われがちですが、家庭で作る量であれば、必ずしも天地返しをしなくても味噌はできあがります。容器の中で発酵の進み方に差が出やすい大きな樽で仕込む場合や、表面の様子を確認したいときに行う程度で十分です。
むしろ、味噌が空気に触れる回数が増えるぶん、カビが出るきっかけを作ってしまうこともあります。
天地返しを行う場合は、使うスプーンやへらを清潔にしてから、味噌を混ぜ返して表面を平らにならし直し、ラップを密着させます。手で混ぜる場合も同様です。道具や手を清潔に保つ習慣が、カビの発生源を減らす一番手軽な方法です。
完成後のカビ対策と保存はどうする?
仕込みの容器選びと保存管理は、カビの出やすさに直結します。ホーロー・陶器・食品用のプラスチック容器など、匂い移りが少なく蓋がしっかり閉まるものを選び、出来上がり量に対して空間が広すぎないサイズにすると、空気に触れる面積を抑えやすくなります。発酵中の管理のしやすさは、この容器選びによって変わります。
表面に出たものが白い粉状の結晶であれば、味噌の成分(アミノ酸)が結晶化したものであることが多く、取り除いても、そのまま混ぜ込んでも問題ないとされています。一方で色のついたカビが出た場合は、清潔なスプーンで中心から2〜3cm程度広めに取り除き、表面を平らにならして空気に触れる面を減らします。使った道具は洗浄・乾燥させ、手順5・6の保存方法(密閉・温度管理)をあらためて見直してください。
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まとめ|手作り味噌のポイント
手作り味噌の作り方は、大豆を煮てつぶし、麹・塩と混ぜて詰めるだけ。難しい作業はありません。以下の3つのポイントを押さえて、手前味噌作りに挑戦しましょう。
- 仕込む時期を決める。寒仕込みの時期なら失敗しにくく、一般的な米味噌・麦味噌ならそれ以外の時期でも仕込めます。
- キットか、材料を自分でそろえるかを決める。初めてならキット、好みの味を追いたいなら自分でそろえる方法が向いています。
- 分量を確定する。自分でそろえる場合は、手前味噌計算ツールに出来上がり量か手元の大豆・麹の重さを入れれば、塩と麹の量まで出ます。
分量が決まれば、あとは前の晩に大豆を水に浸すだけで、翌日から仕込めます。分量に迷ったら、まずここに数字を入れてみてください。