「スーパーで買った味噌がおいしくなかった…」
「苦手な味だった…」
そんな経験はありませんか?
だからといって捨てるのはもったいない、でも味噌は冷蔵庫で幅をとるからずっと保管しているのもイヤ。
この記事では、おいしい味噌の選び方、味噌の種類まで徹底解説。残った味噌をおいしく食べきるために、知っておきたい調理法やレシピを紹介します。
味噌の種類と特徴を知る
味噌は種類によって適している調理方法が異なります。味噌をおいしく食べきるためにも、まずは味噌の種類とそれぞれの特徴を確認しましょう。
呼び方 | 特徴 | 確認方法 |
白味噌(しろみそ) |
とても甘くてまろやか。砂糖が添加されているものもあり。 関西ではお雑煮に使う地域もあり。味噌汁よりは、魚の味噌漬けなどの料理と相性が良い。マヨネーズと混ぜてディップソースなどにも適してている。 |
色:黄色や薄い山吹色など 表示ラベル:原材料に砂糖などの甘味料が添加されている場合もあり |
米味噌:淡色(こめみそ:たんしょく) |
米麹で作られるあっさりスッキリとした塩気が特徴の一般的な。 |
色:山吹色や黄土色のように比較的薄い色。 |
米味噌:辛口(こめみそ:辛口) |
赤味噌と呼ばれることもある。仙台味噌はこれにあたる。 |
色:濃い焦げ茶色。 |
豆味噌(まめみそ) |
焦げ茶や黒に近い色で、とても濃く、強い塩味や酸味が特徴。味噌煮込みや濃い味付けの料理に適している。 |
表示ラベル:米(米麹)や麦(麦麹)が入っていない。大豆と塩のみ。 |
麦味噌(むぎみそ) |
米味噌より甘い柔らかな味わい。汁物にも料理にも合う。 |
表示ラベル:麦(麦麹)が表示されている。米(米麹)が表示されていない。 |
合わせ味噌・調合味噌(あわせみそ・ちょうごうみそ) |
米味噌と麦味噌を製造の過程、または出来上がり後にブレンドしている。まろやかでバランスが良く、何にでも合いやすい味噌。 |
表示ラベル:米(米麹)と麦(麦麹)が両方表示されている |
味噌の呼び名に注意しよう
味噌の呼び名は、全国一律で統一されているものではありません。特に、白や赤などの色に関する呼び名には、地方によってさしているものが異なるので注意が必要です。
東北などの地方で「赤味噌」は仙台味噌のことを指す場合もあり、東海地域の「赤味噌」は豆味噌や赤出汁を指すこともあります。また、関西では砂糖のような甘さの味噌である「白味噌」も、長野を中心に作られる信州味噌の「白味噌」とは異なります。
味噌の呼び名で商品を選ぶときは、どの地域で呼ばれているものなのかを確認しましょう。また、通称に囚われすぎずに、原材料や色などで判断することもひとつの手です。
苦手な味噌をおいしく食べる5つの調理法
買ったものが好みと違ったときでも、調理の仕方次第でおいしく食べることができます。気に入りの味噌でも、調理法によってまた変わった味わいにもなるので、好みの調理法をみつけてみましょう。
1:薄める
米味噌や白味噌など、風味の比較的柔らかな味噌に向いています。味噌汁の場合は、味噌を使う量を減らし出汁の割合を多くすることで、旨味を強く感じる味噌汁になります。
2:強い風味の食材と合わせる
ニンニク、ショウガ、香辛料などの風味が強い食材や調味料と組み合わせてみましょう。少量の豆板醤や砂糖と合わせて韓国風味噌にしたり、すりおろしにんにくと味噌を合わせて肉や魚を漬け込んだり、味噌以外の風味を活用する料理におすすめです。
白味噌から豆味噌まで、味噌の種類を選ばずおすすめの調理方法です。
3:煮込み料理や鍋に使う
シチューやカレーなどに煮込み料理に味噌を少量加えることで、味に深みやコクがプラスされます。特に豆味噌や濃いめの味噌がおすすめ。豆味噌は乳酸発酵し酸味が感じられるものがあるので、ビーフシチューによく合います。
また、鍋の味付けに使うことで味噌の消費量を増やし、具材の旨味が染み出し食べやすくなります。豆乳味噌鍋や、チゲ味噌など味噌以外の調味を加えるとさらに美味しく食べることができます。
4:甘みを加える
味噌に砂糖やハチミツを加えて混ぜ合わせることで、味噌がもつ塩味や苦味を和らげることができます。好みにもよりますが、白味噌から濃いめの豆味噌まで応用できる調理方法です。個性が強いもの同士で、黒糖と豆味噌などもおすすめです。
5:ソースやディップにする
マヨネーズ、ヨーグルト、クリームチーズなどと味噌を混ぜ合わせると、手軽においしいソースやディップになります。つくるときは、味噌を少しずついれながら味を確認して好みの味付けにしましょう。味噌はカレーとも相性が良いので、カレー粉を加えたソースやディップもおすすめです。
すぐ使える!余った味噌の活用レシピ
少し苦手だったり冷蔵庫に余ったままの味噌を活用できるレシピを紹介します。
鶏肉の味噌漬け焼き
味噌ダレに漬け込んで焼くだけ。どんな味噌でも合いやすい調理法です。
【材料(2〜3人分)】
- 鶏もも肉 … 2枚(約400g)
- 味噌 … 大さじ3
- みりん … 大さじ2
- 酒 … 大さじ1
- 砂糖 … 小さじ1
- しょうゆ … 小さじ1
- にんにく・しょうが(すりおろし) … 小さじ1/2(お好みで)
【作り方】
-
漬けダレを作る
ボウルに味噌、みりん、酒、砂糖、(しょうゆ・にんにく・しょうがを加える場合は一緒に)入れてよく混ぜる。 -
鶏肉を漬ける
鶏もも肉を適当な大きさに切るか、丸ごと漬けてもOK。ポリ袋や密閉容器に入れ、味噌ダレをもみ込んで冷蔵庫で半日から一晩漬ける。 -
焼く前に味噌を拭く
味噌がついたままだと焦げやすいので、軽くキッチンペーパーで拭き取る。 -
焼く
中火で熱したフライパンに皮目を下にして焼き、焼き色がついたら裏返し、弱火でじっくり火を通す。 -
完成
食べやすい大きさにカットし、皿に盛り付けたら完成!
味噌ディップ
【材料(作りやすい量)】
- クリームチーズ … 100g
- 味噌 … 大さじ1
- 甘酒(米麹で作られたもの)…
【作り方】
-
クリームチーズを柔らかくする
常温にしばらく置くか、電子レンジ(600Wで10秒ほど)加熱して柔らかくする。 -
味噌と甘酒を混ぜる
1で柔らかくなったクリームチーズに味噌と甘酒を一緒にいれてよく混ぜる -
完成
器に盛り、野菜スティック(きゅうり、にんじん、大根など)やクラッカーにつけて食べる
味噌キャラメル
ほんのり塩気のある味噌キャラメル。お菓子作りは難しいとの甘さを引き立てる、大人のスイーツです。
【材料(約20個分)】
- 砂糖 … 100g
- 生クリーム) … 100ml
- はちみつ) … 30g
- 無塩バター … 20g
- 白味噌または好みの味噌 … 大さじ1
- バニラエッセンス … 少々(お好みで)
【作り方】
-
準備
バットにクッキングシートを敷いておく。味噌はダマにならないように、少量の生クリーム(分量内)と混ぜてなめらかにしておく。 -
キャラメルを作る
鍋に砂糖、はちみつ(または水あめ)を入れ、中火で加熱する。砂糖が溶け、茶色く色づくまで焦がさないように注意しながら煮詰める。 -
生クリームを加える
キャラメル色になったら、火を弱めて温めた生クリームを少しずつ加える。(※一気に入れると泡立ってはねるので注意!)よく混ぜながら、とろみがつくまで加熱する。 -
仕上げ
火を止め、バターと味噌を加えてしっかり混ぜる。バニラエッセンスを加える場合はここで加える。 -
冷やし固める
クッキングシートを敷いたバットに流し入れ、粗熱を取ったら冷蔵庫で1〜2時間冷やす。固まったら、包丁で好みの大きさにカットする。 -
完成
おいしい味噌の選び方
味噌を使い切る最大のコツは、おいしい味噌を選ぶことです。おいしいと感じるかどうかは個人差があります。紹介するポイントはあくまで目安なので、自分がおいしいと感じる味噌をみつけましょう。
国産原料のみが使われているものを選ぶ
味噌を選ぶときは、まずは表示ラベルの原材料を確認してください。伝統的な作り方をしている味噌は、米や麦・大豆・塩の原料のみで作られています。調味料(アミノ酸)などの添加物や保存料が入らない味噌を選びましょう。
ただし、以下のような例外もあります。
九州地方では甘味料が入る
九州などの一部の地域では、甘い味付けを好む文化的背景があります。そのため、昔から味噌や醤油にはステビアなどの甘味料が入っていることがほとんどです。添加物をいれることが決して悪いだけのことではないので、まずは食べてみて好みに合うか合わないかを確認することをおすすめします。
値段をひとつの目安にする
「値段が高い味噌はおいしい」と一概にいうことはできませんが、現在の味噌市場では値段はひとつの目安になります。
温度調整をし熟成を早めている味噌は比較的安価な傾向があります。早期熟成の味噌は、温度調整をせず自然のままに熟成されたものに比較すると、旨味が少なく塩気が尖っている傾向があります。
500g1,000円程度以上のものは、早期熟成させずにじっくりと昔ながらの製法で作られている目安になるでしょう。
冷蔵保存の味噌の方がおいしい?
冷蔵保存の味噌がよりおいしいと言い切ることはできません。保存料や酒精、加熱処理をしていない味噌は、過度に発酵が進むことを止める冷蔵保存が必要になります。
冷蔵保存されて販売されている味噌は、保存料を使っていないひとつの目安になります。ただし、常温で保存されている味噌でも伝統製法で丁寧に作られたおいしい味噌もたくさんあります。冷蔵保存のほうが必ずおいしい、というわけではありません。
酒精はNG?
表示ラベルを確認すると、原料の後に「/」で区切られて添加物が記載されます。味噌の中では添加物の表示の中で「酒精」の表記があるものがあります。
酒精は添加物に分類されているものですが、味噌がおいしく安全に流通するために大切な役割を果たすものです。また、添加されている酒精はほとんどの場合ごく微量で、風味を損なったり味わいが悪くなったりするものではありません。
添加物を積極的に避ける場合などで悪者にされがちなものですが、味噌のおいしさに関してみると、添加されていてもほとんど味は変わりません。
みそソムリエが推す間違いなくおいしい味噌3選
黄金比率の米麦合わせ味噌:信州白樺印みそ
天使の甘さの白味噌:白富士
木桶仕込みのうまみ溢れる:いいちみそ
味噌をおいしく保存するコツ
味噌は長期保存が可能な食品ですが、おいしさを長持ちさせるために正しい保存方法を知っておきましょう。
開封後は冷蔵庫または冷凍庫で保存する
味噌を開封したら、冷蔵庫または冷凍庫で保存してください。熟成が深い味噌でも常温保存はやめましょう。
購入後に味噌を別の容器に必ず移す必要はありません。ご自身で使い勝手の良い形で保存してください。
ただし、袋状に入っている味噌など、袋の入口に味噌がついて固くなってしまうなど、おいしく食べられない部分もでてくる可能性があります。その場合は、タッパーなどに移すことをおすすめします。
表面が空気に触れないようにカバーする
味噌の表面を空気に触れないようにラップでピッタリ覆います。味噌の表面をラップで覆うことで、酸化による劣化を防ぐことが可能です。なお、パック味噌を購入時に上についている白い紙は廃棄してください。白い紙の役割は、脱酸素剤が入っている場合に味噌につかないようにする、輸送時に味噌たまりがでないようにするなど、製造側の理由がほとんどのため、家庭での保存では必要ありません。
通常、味噌は冷蔵庫にいれておけば保存がきくものですが、変な匂いがする、カビが目に見えている、酸味が強くなっているような場合は、品質が劣化し身体に悪い菌が繁殖している可能性があります。その場合は廃棄しましょう。
味噌を捨てずにおいしく食べきろう
味噌は種類によって使い方が異なり、好みに合わなくても工夫次第で美味しく活用できます。種類に合わせて調理方法を変えながらおいしく味噌を楽しみましょう!