麦味噌を食べたことはありますか?
日本の食卓に欠かせない味噌。その中でも最も生産量が多いのが「米味噌」で約80%。麦味噌の割合は5%。全国的に広く親しまれているのが「米味噌」です。米麹を使って作られる米味噌は甘みと旨味のバランスがよく、いろんな料理と相性が良いことが特徴です。
この記事では、麦味噌の特徴から他の味噌との違い、おすすめの麦味噌レシピまで麦味噌を徹底解説。味噌屋が推す人生で一度は食べてほしい麦味噌も紹介します!
麦味噌とは?麦味噌の基本的な特徴
麦味噌は、米麹を使わずに、大麦または裸麦を主原料として作られる味噌のことです。米味噌と比べると甘いものが多く、米味噌にはない甘い芳醇な香りが特徴です。
やや茶色がかった黄土色をしており、塩分が低めで口当たりが優しいため、味噌汁や炒め物、漬けダレなどに幅広く活用されています。
主に九州地方や瀬戸内地方で多く生産されています。
2022年に話題になった、麦と塩だけの麦味噌は「味噌」と表示できないという問題
2022年10月、麦と塩のみで作られた麦味噌が「麦味噌」を名乗ってはいけないという行政指導が行われた事例が話題になりました。食品表示法には味噌の定義として「大豆または米・麦などの穀物を原料とし、麹菌で発酵させたもの」と規定されていることから、大豆を全く使用しない商品が味噌と名乗ることは、景品表示法の法令違反にあたるという通告が愛媛県で麦味噌を製造する味噌蔵に行われたのです。
愛媛県井伊味噌さんでは、創業以来半世紀以上、麦麹と塩だけを使った伝統的な製法で麦味噌を製造していました。しかし今まで味噌を名乗れないという行政の指導は一度もなく、まさに寝耳に水の通告となりました。
その後、井伊味噌を始めとした生産者から嘆願書がだされることになり、一転して行政指導は取り消しとなりました。この問題は、伝統食品の定義と規格の関係について議論を呼ぶことになりました。
麦味噌と他の味噌との違い
麦味噌は、米味噌や豆味噌と比較すると以下のような違いがあります。
- 原料の違い:米味噌は米に麹菌を繁殖させて米麹、豆味噌は大豆に麹菌を繁殖させた豆麹を使用します。麦味噌は麦に麹菌を繁殖させた麦麹を使用します。
- 発酵期間の違い:麦味噌は、3〜6ヶ月と発酵期間が比較的短い傾向があります。麦味噌でも、商品によっては1年、長期で2年と発酵させるものもあります。
- 味の違い:麦味噌は麦の甘みと香ばしさが特徴です。米味噌のまろやかさ、豆味噌のコクとは異なる味わいが楽しめます。
-
相性が良い料理:米味噌や豆味噌に比べてクセが少ないので、味噌汁から炒め物まで幅広い料理に使いやすいといえます。
産地別の麦味噌の特徴
九州地方の麦味噌の特徴
九州地方では甘口の麦味噌が広く普及しています。歴史的背景から甘い味噌や醤油が好まれるため、味噌にも甘味料が添加されていることも多くあります。色は黄土色のような薄い明るい色で、発酵期間が短く、甘みが強く塩分も低めであることが特徴です。
豚汁やさつま汁など、動物性の油とも相性がよく具だくさんの味噌汁におすすめです。
瀬戸内地方の麦味噌の特徴
愛媛など瀬戸内地方で作られる麦味噌は、九州地方の麦味噌よりもやや塩味が強く、スッキリしながら旨味が感じられます。大豆を使わずに麦と塩だけで作られる伝統的な麦味噌もあります。
瀬戸内海の魚との相性もよく、現地ではあご出汁と使って汁物にすることも多いです。
麦味噌に含まれる栄養は?
麦味噌は、麦の食物繊維、乳酸菌や酵素などが豊富に含まれ、腸内環境を整えることにつながります。また、抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれており、美肌効果や生活習慣病予防などさまざまな健康効果も期待できます。
米味噌と比較すると、食物繊維が多く、カリウムやビタミンB群も豊富です。塩分は比較的控えめなので健康を意識する人にもおすすめできます。
麦味噌の保存方法と賞味期限は?
塩分濃度が低く、熟成期間が比較的短い麦味噌は冷蔵保存が基本です。
ただし、冬場など気温が低く乾燥している時期は、密閉容器に入れ直射日光を避ければ、数日程度は常温でも保存することも可能です。長期間の保存には冷蔵庫が推奨されます。
麦味噌の賞味期限
一般的に、米味噌と比較すると、麦味噌の賞味期限は6か月程度と短い傾向があります。熟成が進むと風味が変わり、カビが生えたり酸味が増したり、劣化する可能性もでてきます。開封後は冷蔵庫に保存し、早めに食べきりましょう。
麦味噌を使ったおすすめレシピ美味しい麦味噌の選び方
麦味噌を使ったおすすめレシピ
麦味噌のおすすめ味噌汁
麦味噌は甘みのある野菜や魚介類と相性が抜群です。おすすめの味噌汁の具を紹介します。
- 定番の具材:玉ねぎ、キャベツ、にんじん、じゃがいも
- 旨味を引き出す具材:しじみ、あさり、カニ、えび
- ボリューム感のある具材:豚肉、鶏肉、油揚げ
- 風味を引き立てる具材:みょうが、大葉、生姜
特に、玉ねぎと豚肉の組み合わせは甘みが引き立ち、麦味噌のまろやかさとよく合います。また、しじみやあさりの味噌汁は、貝の出汁と麦味噌の甘みが絶妙にマッチし、コクのある仕上がりになります。
九州地方の麦味噌と瀬戸内地方の麦味噌でも合う具材が異なるので、いろいろ試してみてください。
麦味噌を使った炒め物レシピ:豚肉とキャベツの麦味噌炒め
麦味噌の甘みとコクが絡み、ご飯が進む一品が手早く完成します。
材料(2人分)
- 豚バラ肉(150g)
- キャベツ(1/4玉)
- 玉ねぎ(1/2個)
- にんにく(1片)
- ごま油(大さじ1)
- ★麦味噌(大さじ2)
- ★みりん(大さじ1)
- ★酒(大さじ1)
- ★砂糖(小さじ1)
作り方
- キャベツはざく切り、玉ねぎは薄切り、にんにくはみじん切りにする。
- ★の調味料を混ぜておく。
- フライパンにごま油を熱し、にんにくを炒めて香りを出す。
- 豚肉を加えて炒め、火が通ったら玉ねぎとキャベツを加える。
- 野菜がしんなりしたら、★の調味料を加えて絡める。
- 全体がなじんだら火を止め、皿に盛り付ける。
麦味噌を使ったつけダレレシピ
材料(作りやすい分量)
- 麦味噌(大さじ3)
- みりん(大さじ2)
- 砂糖(大さじ1)
- 醤油(小さじ1)
- おろしにんにく(小さじ1)
- おろし生姜(小さじ1)
- ごま油(大さじ1)
- 白ごま(適量)
作り方
- 全ての材料をボウルに入れて混ぜる。
- 焦がし風味にしたい場合は、フライパンで軽く火を入れる。
焼き肉のつけダレ、野菜ディップ、焼きおにぎりの塗り味噌と、なんの料理もよくあう万能ダレです。米味噌の場合、味噌の味が強くなってしまいがちですが、柔らかい味わいの麦味噌を使うことで、どんな料理にもあいやすくなります。
麦味噌をとりいれてみよう!
麦味噌は、甘みと香ばしさが特徴の味噌。全国の割合でいうと、限られた地域でよく食べられる味噌ですが、そのおいしさは間違いありません。栄養価も高く塩分も控えめなので、健康志向の人にもおすすめです。
料理との相性も幅広いので、料理のレパートリーを広げることにもつながります。まずはおいしい麦味噌で身体もぽかぽか栄養たっぷりの麦味噌を作ってみましょう!
味噌屋が推す人生で一度は食べたい麦味噌
愛媛県井伊味噌さんの麦味噌は、麦と塩だけでつくる麦味噌。この伝統的な製法で麦味噌をつくる味噌蔵は、いまでは数軒となってしまいました。麦と塩だけでつくる麦味噌は、麦の甘みや芳醇な香りが口いっぱいに広がる、人生で一度は食べてほしい味。
鍋にしてもよし、魚だけではなく豚肉との相性も良い懐の深い味噌です。